iPhoneでフォルダにパスワードをかける方法
「ファイル」アプリはパソコンのファイルブラウザによく似ているので、同じ操作を期待するのは自然です。フォルダを右クリックしてパスワードを設定すれば終わり、というように。しかしiOSはそういう仕組みではありません。「ファイル」にはフォルダごとのロックがなく、それを追加する隠し設定もありません。できるのは、アプリをロックすること、別のアプリで中身をロックすること、そして独自のロックがある場所に書類を移すことです。
「ファイル」にフォルダのパスワードがない理由
「ファイル」アプリは、保存場所を閲覧するためのアプリです。このiPhone内、iCloud Drive、そして接続したサードパーティのサービスが対象です。保存場所の中身を表示しますが、アクセス制御はiOSに任せています。iPhoneのセキュリティは、デバイスのパスコード1つを中心に作られています。iPhoneがロックされている間、ファイルのデータはiOSのデータ保護で暗号化され、ロックが解除されると、「ファイル」アプリはiPhoneを持っている人に中身を表示できます。
ですから現実的な問いは「このフォルダにどうパスワードをかけるか」ではなく、「ロック解除したiPhoneを使う人に、これらの書類を開かせないにはどうするか」です。
方法1:「ファイル」アプリをロックする(iOS 18以降)
iOS 18で追加されたアプリのロックは、アプリを開くたびに認証を求めます。
- ホーム画面またはAppライブラリでファイルを探します。
- アイコンを長押しします。
- Face IDを必須にするを選びます(表記はデバイスに応じてTouch IDまたはパスコードになります)。
- 確認します。
これで「ファイル」は何かを表示する前にFace IDを求めるようになります。1つのフォルダだけでなく「ファイル」のすべてのフォルダが守られるので、使う頻度によっては便利にも面倒にも感じるでしょう。
限界は標準のロックによくあるものです。代替手段はデバイスのパスコードなので、それを知っている人は「ファイル」を開けます。また、このロックは「ファイル」アプリにしか効きません。クラウドストレージアプリや独自の書類フォルダを持つアプリなど、同じ保存場所にアクセスできるほかのアプリには影響しません。Apple純正アプリは基本的に「非表示」フォルダに移せないため、「ファイル」はデバイス上に表示されたままです。
方法2:ロックしたメモ
Appleの「メモ」は、個々のメモをロックして暗号化し、iPhoneのパスコードとは別のパスワードで保護できます。メモにはスキャンした書類、写真、ファイルを添付できるので、ロックしたメモは小さな保護フォルダとして使えます。
- 「設定」›「アプリ」›「メモ」›「パスワード」(iOS 18より前は「設定」›「メモ」›「パスワード」)で独自のパスワードを設定するか、デバイスのパスコードを使うように選びます。
- メモを作成して内容を追加します。カメラボタンから書類を直接メモにスキャンできるので、紙の書類が写真ライブラリを通ることはありません。
- その他(•••)›ロックをタップします。
複数のロックしたメモを「メモ」のフォルダにまとめることはできますが、ロックされるのは個々のメモで、フォルダではありません。詳しい比較はVelcryptとAppleのロックしたメモの比較を、スキャンについてはiPhoneで書類をプライベートにスキャンする方法をご覧ください。
方法3:個々のファイルを保護する
ファイルの種類によっては、独自のパスワードを持たせられます。
- **PDF。**いくつかのPDF編集アプリやオフィスアプリは、パスワード付きでPDFを保存できます。iOS自体には汎用のツールはありません。
- **オフィス文書。**文書のパスワードに対応する仕事効率化アプリもあります。iPhoneで設定できるかはアプリ次第です。
- **暗号化アーカイブ。**一部のファイル管理アプリは、パスワード付きのアーカイブを作成できます。
これらが守るのは一度に1つのファイルだけで、アプリによっては開閉時に一時フォルダに復号されたコピーが残ることがあります。保護したファイルを誰かに送るときには便利ですが、日常の保管には向きません。
方法4:暗号化保管庫
保管庫アプリは、書類を独自の領域に読み込み、あなただけが知る秘密情報で暗号化します。実質的には「ファイル」にはないパスワード付きフォルダそのもので、しかもロックがデバイスのパスコードではないという利点もあります。
選ぶときは、ファイルを本当に暗号化しているか(隠しているだけではないか)、何かをアップロードしていないか、そして「ファイル」アプリから読み込めるかを確認しましょう。ほとんどの書類は「ファイル」にあるからです。読み込んだあとは「ファイル」から元のファイルを削除するのを忘れないでください。コピーを読み込んでも元のファイルは消えません。iCloud Driveにあった場合は、「ファイル」アプリの「ブラウズ」にある最近削除した項目も確認します。
知らないうちに書類がたまる場所
1つのフォルダをロックしても、重要なファイルが実際にそこに入っていなければ意味がありません。iPhoneでは、書類はいくつかの決まった場所にたまりがちです。
- **ダウンロード。**SafariとメールはファイルをSafariの設定に応じて、iCloud Driveまたは「このiPhone内」にある「ファイル」の「ダウンロード」フォルダに保存します。
- **メールの添付ファイル。**添付ファイルを開いても、メールから削除されるわけではありません。メッセージ自体はメールボックスに、同期しているすべてのデバイスに残っています。
- **メッセージやチャットアプリ。**送受信したPDFやスキャンは、そこで削除するまで会話の中に残ります。
- **「ファイル」の「最近削除した項目」。**iCloud Driveや「このiPhone内」から削除したファイルは、「ブラウズ」タブの「最近削除した項目」に移り、完全に削除されるまでそこで待機します。
プライベートなフォルダをどこに置くか決める前に、これらの場所を一度見直しておく価値があります。
どの方法が合うか
| 目的 | 最適な方法 |
|---|---|
| すべてのファイルへの気軽なアクセスを防ぎたい | 「ファイル」アプリをロックする |
| いくつかのメモやスキャンを別のパスワードで守りたい | ロックしたメモ |
| 保護したファイルを誰かに送りたい | パスワード付きPDFまたはアーカイブ |
| 身分証のスキャン、医療記録、契約書を、パスコードを知る人から守りたい | 暗号化保管庫 |
身分証明書や健康記録については、医療書類と身分証のユースケースで詳しく説明しています。
Velcryptの位置づけ
Velcryptはプライベートな書類を、写真や動画と同じ暗号化保管庫に保存します。書類は「ファイル」アプリから読み込み、ロック解除パターンから導出された鍵でデバイス上でAES-256-GCMにより暗号化されます。アカウントは不要で、サーバーには何も送られません。それが実際に何を意味するかは、オフライン・アカウント不要の保存のページで説明しています。
保管庫のデータはiCloudやコンピュータのバックアップから除外されるため、失いたくない書類は、信頼できる別の場所に独立したコピーを保管しておきましょう。iPhoneを紛失したりパターンを忘れたりすると、Velcryptを含め誰も保管庫を開けません。
よくある質問
iPhoneの「ファイル」アプリでフォルダにロックをかけられますか?
できません。「ファイル」にはフォルダごとのパスワード機能がありません。iOS 18以降なら「ファイル」アプリ全体をFace ID、Touch ID、またはパスコードでロックでき、すべてのフォルダをまとめて保護できます。
iPhoneで「ファイル」アプリにロックをかけるには?
「ファイル」のアイコンを長押しし、「Face IDを必須にする」(またはTouch ID/パスコード)を選んで確認します。iOS 18以降が必要です。
iPhoneでPDFにパスワードをかけられますか?
一部のアプリではパスワード付きでPDFを書き出したり保存したりできますが、「ファイル」アプリから汎用的にパスワードを追加する方法はiOSにありません。パスワード付きPDFが守るのはそのファイルだけで、入っているフォルダは守られません。
「このiPhone内」のファイルは暗号化されていますか?
iPhoneがロックされている間は、デバイス上のほかのデータと同じくiOSのデータ保護で守られています。ただしロックを解除すると、アプリがロックされていない限り、使っている人は誰でも「ファイル」を開いて読めます。
iCloud Driveはプライベートな書類の保管場所として安全ですか?
iCloud Driveのファイルは暗号化されていますが、「高度なデータ保護」をオンにしない限り鍵はAppleが保持しています。また、別のデバイスであなたのApple Accountにサインインしている人も閲覧できます。